2007年01月20日

Georgeおじさん

先週の日曜日に元外資系IT企業に勤務し、2年ほど前に半年ほど日本で勤務していたジョージさんがやって来ました。

ジョージさんは私の勘定が間違っていなければ今年で67歳、フカフカのきれいな銀髪にはいつもきれに櫛がとおり、髪と同じ色の口髭はいつもきれいにカットされていて、店に入るといつも一番端のスツールに腰掛け、「私とあなたにビールを一杯づつ」と言って、「カンパーイ」と慣れない日本語でグラスを合わせ、美味しそうに一杯目のビールを飲みます。


「初めて日本に来て、初めて友人になれた人なんだよ。」
そう私のことを言ってくれ、引退後も日本に旅行に来るたびに六本木近辺にホテルを取り、毎晩のように飲みに来てくれます。

アイレイモルトの中ではあまりクセのないブナハーブンをこよなく愛し、母国に住む、2人の子供と5人の孫たちを愛し、いずれは生まれ育ったワシントンDCを後にしてまでも、永住をと考えている日本を愛してくれているとても素敵なおじいさんです。

彼は企業勤めも残りわずかという頃、癌を患いました。


それでも毎日明るく、冗談ばかり言い、心配してくれてる家族の心配ばかりしていました。

帰国し、一年近くの闘病生活を終え、抗癌剤で自慢の口髭も髪もすっかりなくなった姿でまたShakeにふらりとやって来ました。

またいつもの様に「私とあなたにビールを一杯づつ」
と言って笑ってました。

お酒なんて出していいものかものすごく悩みましたが、変わらず元気な自分を一生懸命私に見せてくれている彼には、私も変わらず接することしか出来ませんでした。


そんな彼の今回のの日本滞在、髪は元にもどり、毎晩あちこちのジャズバーで大好きなジャズを聴き、その後Shakeでビールと大好きなブナハーブンを飲む。。

彼の一週間の日本で過ごす休息時間の脇役に立てたことを、とても嬉しく思います。

彼の滞在中、以前彼が退院してまもない頃に送ってくれたメールを思い出していました。

I believe that friends are quiet angels who lift us to our feet when our wings have trouble remembering how to fly....

一人で何か思い悩んでいる時、必ず周りにはいい友人がいる。
今まで出会った人たちから、その事は沢山教えてもらいました。

でも、やっぱり一人暗闇で行き詰まると、そんな仲間が周りにいることを忘れがちです。

ジョージの言葉を思い出し、そんなあたり前の事を再確認し、勇気づけられました。

私にはいい友人が沢山いる…。
そんな素敵な一週間を私も過ごすことが出来ました。  


Posted by sake at 19:26Comments(4)